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凜恋心【最遊記】

第53章 純白の花嫁 (後編)


そう悟空が言うなり扉を開ける。まだ多少クリスマスの会に参加していた人がちらほらといた。シスターと神父に声をかけられる八戒。何やら話していた。

「……ではどうぞこちらに」
「…なんだ、一体」
「いいから、三蔵!」
「そうそう!ほらほら!!」

そういって勢いに負けそうになりながらも三蔵は八戒達とシスター達に誘われながら、別室へと案内されていく。

「こちらの方ですか?」
「えぇ、よろしくお願いします」
「おい八戒…」
「お怒りなのは解ってますが三蔵…雅の為に一肌脱いでくれませんか?」
「…説明くらいしろ」

少し眉間にシワがよりながらも、八戒に説明を求める三蔵。ほっと胸を一撫でしながらも、八戒は説明し出した。

「騙すつもりではなかったんですが…普通に言っても三蔵?あなた、動いてくれないでしょう?」
「そんなことは聞いちゃいねぇよ。何があってここに居るんだ」
「三蔵、雅の夢叶えてくれよ!」
「…八戒」
「えぇ、悟空の言う通りです。初めてこの街に着いた時に結婚式やっていたって話したでしょう?その時に雅、『いつかは私も着たいな…』って言ってたんです。それであなたに話した。そうしたら『いつかの約束何ざできねぇ』って言ったじゃないですか」
「…でこれか?」
「はい。」
「……ハァァ…」
「怒るのも無理はないですが…それこそ僕ら、明日にはどうにかなってるかも知れないんですよ?」
「だからって、……あいつは知ってるのか?」
「いいえ、知らせてません。」
「じゃぁどうすんだ」
「悟浄が連れてきます。」
「……ッチ」
「あと聞きたいことは?」
「……もういい」

そう言うと目を伏せ、法衣から腕を抜く。

「…着替えるんだろ?」
「三蔵!」
「こんな事、これっきりにしろ…」
「三蔵?二度も三度もすることじゃ無いですよ?」
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