第53章 純白の花嫁 (後編)
そう話していた。そうして昼食も摂り、雪のためあまり外にも出られず、ただ部屋で過ごしていた。
雅が昼食後にのんびりとしている頃の三蔵はというと…八戒や悟空と一緒に居た。
「そうそう、三蔵?」
「なんだ」
「例のアレ、渡されたんですか?」
「……うるせぇよ」
「なぁ、何々?」
「クリスマスプレゼント、ですよ。悟空」
「あ、雅に?」
「お前は首を突っ込むな」
「なんだよ!」
「うるせぇ。キリスト様の誕生日でも祝ってろ、猿」
「昨日やったじゃんかよ!」
「今日が当日だ、ばかが」
「むぅぅぅ!!」
「まぁまぁ。まだあげてないんだったらちょうどいいです」
「……何を企んで居やがる」
「別に?これと言って…」
そう八戒はにこやかに三蔵に微笑み返した。
「なぁな!!三蔵!」
「なんだ」
「悟空?」
「……解ってるって!」
「なにが解ってる、だ。やっぱりテメェら何企んでんだ」
「そんな事よりも、せっかくあんなに大きな教会があるんですから、みんなで行ってみませんか?」
「賛成!」
「断る」
「まぁまぁ、そういわずに。たまにはお坊さんでも教会に入ってみると良い意味で心が洗われるかも知れませんよ?」
「特に俺は困っちゃ居ねぇよ」
「そういわずに!行ってみましょう?雪も止んでることですし!」
そう言ってなんとか三蔵を連れ出すことに成功した八戒達。誰に見られるかも解らない中、常に三蔵が法衣の袂にリングを入れていることは知っていた。
時刻は十五時…サプライズ予定のちょうど二時間前辺りだ。宿から教会まではおよそ十五分。
「うわぁ、でっけぇなぁ!」
「そうですねぇ」
「……それなりだな」
「そう言わずに。」
「中!入ってみようぜ!!」