第53章 純白の花嫁 (後編)
翌日のクリスマス当日。雅は嬉しそうに窓の外を眺めていた。雪は降り積もり、真っ白になった景色一面をどれ程見ていても飽きることはなかった。
「みーやび、なにしてんの?」
「ん?悟浄…」
「どうしたの、窓の外なんて見て」
「クリスマスって…私本当に初めてで…嬉しい!何かわくわくするね…!この街中の飾りつけとかも!」
「そうだな。」
「そういえば、八戒達は?」
「八戒と悟空は野暮用だって言ってたな」
「そっか…皆と一緒に過ごせれたらよかったのになぁ…」
「三蔵とじゃなくて?」
「三蔵はいいの!」
「…どうしてまた…」
「昨日の夜、一緒に居れたから…」
「…そぉ」
「悟浄?」
「で、かわいそうな悟浄さんに付き合ってくれてるって訳?」
「悟浄、かわいそうなの?」
「いや、どう見てもかわいそうだろ。」
「悟浄…」
「でもまぁ、こうして雅と一緒に居れるクリスマスがあればいっか」
そういうとぐいっと肩を抱き寄せる悟浄。そうしていても大分三蔵が銃を打ってくることはなくなった。特に今はこの場に三蔵も居ない。
「あぁ、そうだ雅?」
「なに?」
「今日の十七時頃、空けといて?」
「…え?でも、そのくらいって…お夕飯近いんじゃ…」
「そうなんだけどさ、ちょーっと付き合ってほしいんだわ。」
「ん、解った。八戒達にも言えたらいいんだけど…」
「そうだな、」