第52章 純白の花嫁(前編)
小さく頷く雅をみて、ゆっくりと自身を、またも溢れ出している蜜壺に宛がい、射れ込んでいく…
「ン…アァッ…!」
「力抜け…」
「ハァハァ…ン…」
ゆっくりと根本まで射れ込むと、腰を動かしていく三蔵…その時にシーツを握りしめる雅の手を取って、自身の首に促した。
「縋るならそっちじゃねぇ…こっちだ」
「…三蔵……ッ…」
「動くぞ」
そういうと少しずつピストンも激しさを増していく。グッと首に巻き付く腕もちからが入ったと思うと、背中を弓形にして雅は一足先に快楽の渦にのみ込まれる。
「クッ…イク…」
それほどたたずして三蔵もグッと朽ち果てていった。
ゆっくりと体を重ねると意識が遠退いているのだろう、雅は体を小刻みに時折震わせながら虚ろに三蔵の名を呼んでいた。
「安心しろ……俺は居るから…」
そうひと言残し、ゆっくりと雅の中から自身を抜き出し、処理をすると頭を撫でた。
「余韻も何にもあったもんじゃねぇな…」
夜明かりに照らされる雅の前髪を避けた時、雅はふと目を開けた。
「気付いたか?」
「三蔵……」
「ゆっくり寝ろ…」
「…やだ…」
「は?」
「もっと三蔵と…くっついてたい…」
「…それは『もっとほしい』ってことか?」
「それは違う…!」
「ほう…我慢できると言う訳か…」
「そうじゃ…ッッ…意地悪。」
「どうしたい?」
「三蔵は?」
答えてくれるわけ無いと思いながらも雅はそっと三蔵に問いかけた。
「俺は…もっと雅を感じたいがな」
「…ッッ…三蔵…」
「まっ、それも俺だけなら仕方ねぇな」
「三蔵…」
「なんだ」
「もっと…愛して…」
「…フ…明日動けなくなっても知らねぇよ?」
そう答えると三蔵は覆い被さり、夜に溶けていったのだった……