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凜恋心【最遊記】

第52章 純白の花嫁(前編)



「できたね!!」
「ほんとだ!すんげーうまそう!!」
「ね?作って良かったでしょ?」
「ん!!早く皆で食いたいな!!」

そういいながらもぐぅっとお腹の鳴る悟空をみて、余ったクリームをビスケットに付け、二人で食べた。

それからしばらくして、八戒達も戻り、夕食まで各々の部屋で過ごすことにした。

コンコン

「三蔵…いる?」
「なんだ」
「あの…私、何も無くて…」
「何の話だ」
「大したもの、用意できなかったんだ…」

俯く雅に、くいっと指で『来い』と合図をする三蔵。誘われるがままに雅は三蔵のもとに向かっていった。

「十分だろ、こんなクリスマス」
「…三蔵?」
「俺はもう十分すぎるほど雅からは光をもらってる。それでいい」
「三蔵…ッッ」

目の前に立ったまま、三蔵の髪に指を滑らす雅。

「三蔵…」
「なんだ」
「…好きだよ」
「知ってる」
「三蔵は?」
「……言わねぇよ」

そういうと腕を伸ばして雅の後ろ首に回すとゆっくりと引き寄せ、唇を重ねる。

「…ン…」

ゆっくりと離れるも、再度重なる。深く混じり合うキスにも、雅は大分慣れてきた。

「…クス…」
「な…に?」
「うまくなったな」
「…ば…!!!」
「フッ、いいんじゃねぇの?」

いたずらっぽく笑う三蔵をみて雅の胸は三蔵からの愛で一杯になっていた。

コンコン

「邪魔したか?」
「そう思うなら出ていけ、」
「まぁまぁ、」
「なぁ!パーティーしようぜ!」
「…聞いてるのか…」
「そうだ!三蔵!ケーキ作ったんだよ?悟空と一緒に!」
「食って平気か?」
「ひどい!!頑張ったのに…ねー!」
「なー!」
「まぁ、そういうこと言う三蔵にはなし、で、いいんじゃないですか?」
「そうだな!」
「誰が食わんといった」

わいわい話ながらも借りていた冷蔵庫からケーキを取りだして来た雅。あとは出来合いの料理ではあったものの、初めて味わうクリスマスを雅始め、一行全員楽しく、幸せに過ごしていた。
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