第50章 少し遅れたプレゼント…
「ただいま!」
「…遅かったな」
「んー、ちょっと……色々と見てて…」
そうして八戒の片付けの手伝いも終えた雅は三蔵の部屋に向かっていた。二人部屋と四人部屋が取れ、同然でも二人と三人に解れて入っている。
「……三蔵…?」
「なんだ」
新聞を読んでいる三蔵からひょいっと読んでいる新聞を取り上げた雅。
「…何しやがる」
「だって三蔵新聞ばっか読んでるから……」
「何が言いたい」
「私ね……?三蔵に誕生日プレゼント…見に行ってたの。」
「言ったはずだが?俺は要らんと」
「でも、やっぱり私だってあげたい……」
「ハァ…」
「でもアクセサリーって言うのもなんだし、服も三蔵新調してたし…、悟空と違って美味しいごはんってのも違うだろうし…何がいいかなって思って……」
「それで?」
「八戒にも相談したの。」
「………」
「悟空と八戒と……二人とも『雅があげたいのあげたら?』って言うんだよ…」
「それで?お前が俺に渡したいものはなにかあったのか?」
「……ん」
そういうとそっと顔を近付けた雅は触れるだけのキスを三蔵に落とした。
「……これ…」
「…ってかキスこれ…お前がほしいものじゃないのか?」
「……ッッ…」
「それに…物足りねえな」
「…三蔵?」
「言ったろ、次の街に着いたら覚えておけと…それにこんなことされたら…どうなるか位解ってんだろうな…」
「ん…」
メガネを外し、取り上げられた新聞の上に置くと三蔵は立ち上がり腰を抱き寄せる。