第49章 足りないもの
「あの…バカ…!」
「あーー…店員さん来ましたよ?」
「しかもすっげえ強面だ…」
そう、雅は素直に謝りに行ったのだ。すると奥から店長らしき人が出てきて再度謝ると一緒に向かってきたのだ。
「あの、お客さん?」
「えーっと……」
「すみませんね!お怪我なかったですかい?!」
「……え?」
「うちが悪いって言ったんだけど……」
「そんなことないですよ、テーブルの管理も店の管理!!本当に申し訳ない…」
「だって…」
「いえ、こちらこそ…すみません…」
「いえいえ、それで、手数なんですが移動してもらっていいですかね…」
「あ…それは……」
「なんか…逆にわりいな…」
「だったら直すか?」
「いえ!そんなお客さんに直してもらうなんて…!」
「本当にごめんなさい」
「いえいえ!」
そうしていともあっさりと席を移動しその場は収まった。
「……雅て、すげえな…」
「なにもすごくないよ…やっちゃったんなら素直に謝るしかないじゃん?」
「……聞きましたか?三人とも」
「……あぁ」
「悪りぃ」
「…ごめん」
「でもいい人でよかったね!店長さん!」
そういって食事を済ませ、買い物組とナンパ行き、それから宿行きに別れた。
「てかさ、なんで三蔵はいっつも直ぐ宿なんだ?」
「疲れちゃうんじゃない?」
「でも、座ってるだけだぜ?」
「そういわないの、悟空…クスクス…」
「色々と思うところがあるんでしょう。」
「で、逆に何で悟浄はこうもナンパが好きなんですかねぇ…」
「ステータス、らしいですけど…」
「私なら要らないな…」
「俺も…俺なら餃子のステータスほしい!!」
「あの…悟空?ステータスの意味、知ってますか?」
「んーーー、回数とか?」
「まぁ、近いんですが……」
そう話しながら、八戒の講座が始まった。それを聞きながらも小さく笑っている雅。
「あ……ヤバイ…」
「どうかしましたか?悟空」
「お…俺……トイレ!!わり、待ってて!!」
そういって近くの店に入っていった。
「ねえ八戒…」
「はい?」
「私、ちょっと寄りたいところがあるんだけど……いい?」
「珍しいですね。どうしました?」
「三蔵の誕生日プレゼント……」
「……あぁ」