第49章 足りないもの
『かかれぇぇぇ!!』の妖怪共の言葉を受けて次々になぎ倒し、雅に目を付けた妖怪も三蔵が撃ち抜いていく。
「全く…懲りない奴だ…」
「三蔵、ありがとう…」
「礼言ってる暇ねえよ」
「…え?」
「けけけ!!」
しかし、しゅっと横に引き敵を倒していく雅。大分出るようになっているものの不発も数多い。その度に他の面々が手を出してくれる。
「よっしゃ!いっちょ終わり」
「行きますか」
「あぁ」
そうして屍を後ろに越えながら再度ジープで動き出す。
「次の街までどれくらい?」
「えーっと…地図だと二日…三日位でしょうか」
「うぇぇぇ…」
「仕方ないよね…」
そうして休憩を挟みながら進んでいく。
「…今日はここで終わりにしましょうか…」
「そうだな」
「川辺とかあるかな…」
「そしたら水とか汲めるし、ちょっとした洗い物とかも出来るし!」
「そうですね」
そう話していた。そうして野宿にて皆眠りに就いた頃。雅はふと目を開けた。
「……はぁ……」
小さくため息を吐いて空を見上げた。そっとジープから降りて空を見上げる。
「もう冬…かぁ…」
「何してんだ…」
「あ…三蔵……」
目を覚ましたのか、三蔵もまたジープから降りてきた。
「どうした、眠れないのか?」
「ん……理由は解んないしただ単に眠れないだけなんだと思うけど……」
「…ハァ…」
「夜も冷えるようになってきたね…」
「そうだな」
「でも、星空はきれいに見える季節だよね…」
「たしかに、そうかも知れん」
「三蔵は?眠れない?」
「まぁな」
「そっか……あったかいのって言っても今から火起こしたら皆起きちゃうし……」
「そうだな…」
そう話ながらも少しジープとから離れた二人。