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凜恋心【最遊記】

第47章 埋める穴、そしてキス


そういうものの巻き付いた腕を一向に離そうとしない雅。

「おい、いい加減に離れろ」
「…まだだめ」
「…なんだ」
「三蔵の事チャージ中だから」
「ナメてんのか」
「なめてないしふざけてない…」

腕を半ば強引にほどくと、体の向きを変えて三蔵は雅の顎を持ち上げた。

「……ン」

ゆっくりと離れるとにっと笑う三蔵。

「チャージならこっちのが手っ取り早い」
「……もぉ…」
「文句あるか?」
「……無い…でも…」
「ん?なんだ」
「…もぉ一回…して?」

そうねだる雅の唇にふわりとキスは重なった。それから急いで支度をし、宿を出ることにした。

「おんや?雅、そんなの持ってたっけ?」
「へへへ……」
「気持ちわりいな…おい」
「三蔵にもらった!」
「は?なんでまた…」
「それより!悟浄のバカ!」
「は?何、いきなり、俺なんかしたか?」
「イメクラとか嘘ばっかり!!」
「……あーー、それ?」
「もう……でもいいや、許しちゃう」
「…なんか後が怖えぇんだけど?」
「だって、三蔵これ作ってくれるのにずっと出掛けてたって……教えてくれたんだもん」
「……はい?」
「少し早い誕生日だって!プレゼントもらっちゃった!」

うきうきしながらも街の外れに向かう雅と悟空。その後を着いていく三蔵。悟浄は八戒に問いかけた。

「いつからリングがあれになったんだ?」
「いえ、リングなのは間違いないです。今日の午前中に釜入れで仕上げるって聞いてますし」
「…てか、お前の情報量どこからくんのよ…」
「まぁ、一つ考えるとすれば、リングのカモフラージュにあれを一緒に用意したってところでしょうか…雅なら確実に聞いてくると踏んで……」
「…ありえそうだわ…」
「でも、これで本当にリングがヘアゴムに化けたとしても、雅は嬉しそうですから良しとします?」
「いや…リング持ち歩いてるとかおもしれえから是非作っていただきたいわ。」
「間違いなく仕上がってると思いますけど…」
「……っと、猿が呼んでる」
「急ぎましょう?」

そうして八戒の読み通りとはこの時は誰も思わずに急いで三人の後を二人はおっていくのだった。
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