第44章 果て無き想い
悟浄の誕生日会もお開きになり、それぞれ各々の部屋に向かっていく。街も大きければ宿も大きく、各一つの部屋が取れた。
「八戒、今日はお支度全部任せてごめんね?」
「いえいえ、なんて事無いですよ。」
「悟空も…って……もう寝そう?」
「…クス…ですね」
「じゃぁ、おやすみ!」
「お休みなさい」
その一連の会話を壁に凭れながら聞いていた三蔵。そんな三蔵に対しても雅は笑いかけた。
「三蔵も、ありがとう」
「…あぁ」
「……それじゃ、おやすみ」
「おい」
「え?」
ぐいっと腕を引っ張られ、近くにあった雅の部屋に入っていく。
「ちょ…!三蔵?」
「……どれだけ待ったと思ってんだ…」
「え?」
「この間の村でも、その前の街も……ずっと我慢させやがって…」
「さ…んぞ?」
「それともなんだ…」
「三蔵?」
「……ッッ…悪い…」
「我慢って……」
そう言う雅をぐいっと抱き寄せた。太ももに当たる三蔵自身も既に主張を始めていた。