第43章 悟浄とのデート
「ねえ、悟浄!!」
「んぁ?」
「あれ!!何?」
「…観覧車だろ?」
そう。この街にはなぜか広場の奥に大きな観覧車が一台だけあった。
「そっか!へぇぇ……」
「乗りたい?」
「でも…悟浄の誕生日だから……」
「んなのいいよ。乗りたいのかって…」
「…乗ってみたい!!」
「行くか?」
そうして観覧車に向かう二人。
「どうぞーー!!」
そういわれてカシャンと扉を閉められた。ゆっくりと上に上がっていく。
「う……わぁぁ!すごい!何?どんどん上がってく!!」
「クスクス…はしゃぎすぎ」
「…だって!!」
「まぁ座んなって」
「ん!」
そうしてストンと座った雅。
「ねえ悟浄?」
「んー?」
「今日、楽しかった?」
「おう。ありがとうな」
「ほんとに?」
「何、楽しかったよ?」
「なら良かった!」
そう言うと雅はゆっくりと立ち上がって悟浄の横に座った。
「あの、雅?ゴンドラめっちゃ傾くんですけど?」
「大丈夫だと思う!!」
「……どこにあんのその根拠……」
「だって…」
「んー?」
夕日に照らされ始めた町並みを眼下に見ながら、雅は悟浄の肩に凭れた。
「ごめんね?」
「何が?」
「誕生日プレゼント…何にも無くて…」
「これってプレゼントじゃねえの?」
「…これじゃ、プレゼントにもならないよ」
「そう?」