• テキストサイズ

凜恋心【最遊記】

第43章 悟浄とのデート


「なぁ、雅?」
「んー?」
「あいつと二人きりの時ってどんな話してんの?」
「あいつって…三蔵?」
「あぁ」
「普通だよ?あんまり話さないときもあるし。」
「マジ?」
「ん。別行動したときなんかは、ほら、例えば八戒とお買い物行ったりとか。そういう時にはこんなのあったとか、そういう事話したりとか?」
「それって業務報告見たいじゃね?」
「クス…そうかも。三蔵はそれ聞いて『そうか…』で終わったり。」
「……マジ?」
「マジ。笑っちゃうよね」
「本気で言ってる?」
「うん。だから、悟浄の期待してるような甘い会話とかは一切無いのよ。」
「……ハァァァ」

大きな溜め息を吐いた悟浄。それを見て雅はどうしたのかと声をかけた。

「雅はさ、それで楽しい?」
「楽しいって言うか、私は三蔵と一緒に居れるだけで嬉しいって思うし、それに……」
「…?それに?」
「……その…キスとかも…してくれるし」
「あー、さいですか…」
「言っとくけど!!聞いたの悟浄だからね?」
「わぁーってるって」

そう言いとぐっと残りのジュースを飲み干した。

「ごちそうさん!」
「あ、のめた?はい!」

そう言ってスクっと立つと、手を出した雅。

「雅?空だけど…?」
「知ってるよ?だから」

少し不思議そうに思いながら悟浄はカップを渡す。受け取ると雅は待っててね!と伝え、ワゴンへ向かう。

「・・…ーーー……・・!!」

はにかみながらワゴンのお兄さんと話していた。そのままゴミ箱に捨てると戻ってくる。

「あ、そゆ事。」
「お待たせ!」
「ごみなら俺行ってくるのに」
「フフ…お兄さんにごちそうさま!って言いたかったし!」
「そういうとこよね……ほんと、マジ」
「え?何が?」
「いんや、こっちの話」

そういうと悟浄は一緒に再度歩き出す。広場を歩き、昼食を摂って、笑い、無言になる時間なんてものはなかった。
/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp