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凜恋心【最遊記】

第43章 悟浄とのデート


「……悟浄って……イケメンだよね」
「は?」
「…今気付いた」
「遅っ!!」
「だって…!!皆ほとんどの子がすれ違うと悟浄の事振り返ってる……」
「まぁ色男ではあるけど……」
「自分で言うんだ?」
「言わなきゃ雅言わねえだろうが…」
「クスクス…」
「でも、もしかしたらこの髪色の事で振り返ってんのかもよ?」
「そうだとしても…私も嫌いじゃないよ?悟浄の髪色」
「……どぉせ『キレイ』とか言うんだろ?」
「言ってほしい?キレイって」
「違うわけ?」
「ん。確かにキレイだなと一度も思わなかったかって言えば嘘だけど……それでも悟浄の個性でしょ?それはすごくキレイだと思う。」
「……個性…ねぇ」
「ん。悟浄にしかないものでしょ?それ」
「……まぁな。でもこれ、出来損ないの妖怪の色だぜ?」
「出来損ないだとしても、それが悟浄の良さだと思うよ?ほら。八戒は黒に緑でしょ?悟空は茶色に金目、三蔵は『雅?何の話よ』…髪と目の色。三蔵は金髪に紫。皆違う。悟浄は赤髪に赤の目。私は好きだな。」
「……クハ…血の色だとしてもか?」
「……桜の花も血の色でしょ?」

予想外の雅の反応だった。ぽかんとした悟浄は上から見下ろしていた。

「八戒に聞いたの。桜の下には人が埋まっていて血を吸って白い色がピンクになるって言い伝えがあるって。それでも私は桜が好きだし、キレイだなって思う。たぶん完全な言い伝えだけどね?」
「……」
「だから、それと同じ。血の色だとしても、だとしたら悟浄の血の色はすごくキレイなんだよ。それにしても……」
「ん?」
「誕生日の、それもデート中にこんな話してるの私達くらいよ?きっと。」
「…わり」
「そんなこと言い出した悟浄には罰ゲームね?」

そう言うと雅は小さな出店の前に向かっていった。

「んーっと……」
「雅?何してんの?」
「イチゴとマンゴーくーださい!」
「はいよ!」

そう言って勝手に注文を決め、ドリンクを受け取った。

「はい、悟浄!」
「……はい?」
「マンゴージュース!」
「そりゃ見りゃわかんだけど……」
「あっち行って座って飲も?」

そういって手を引いていった。ベンチに座り、にこやかにイチゴのドリンクを飲み出す雅。
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