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凜恋心【最遊記】

第43章 悟浄とのデート


翌日…準備をして、九時少し前に雅は宿屋の前に出ていった。しかしそこには見慣れた背中…

「悟浄!」
「おぅ」
「ごめんね?待たせちゃって」
「俺を待たせていいのは雅位なもんだ」
「誰にでも言いそうな台詞…」
「はは…」
「行こ!」

そういって雅と悟浄の初めてのデートは始まった。それを窓からみていた三人はにこやかにみていた。

「おやおや、楽しそうですね?」
「雅も楽しそうだな」
「……チッ…」
「良いなんて言うんじゃなかったって顔に書いてありますよ?三蔵」
「うるせえ」
「なぁ八戒!今日の夕飯って!ごちそうだろ?」
「ケーキ要らない何て悟浄は言ってましたけど、雅がどうしてもケーキ要るって言ってましたからね」
「本人が要らないって言ってんなら要らねえだろうが」
「雅の悲しむ顔みたいですか?」
「俺みたくねえ!」
「……ハァ…いい性格してんな…八戒」
「あなたには負けますけどね?三蔵?」

そう話しながら二人の小さくなる背中をみていた。

「悟浄!みてみて?」
「あんまはしゃぐとこけるぞ?」
「大丈夫!!」

そう答えながらも店のショーウインドゥを見ている雅。

「あ……」
「ん?どうした?」
「ごめん…私が楽しんでる……悟浄の誕生日なのに……」
「良いって事。普通のデートでいいんじゃね?」
「…で…ーと?」
「違うのか?」
「……ん……デート…」
「なに照れてんの?今さら?」

クスクスと笑う悟浄にふいっと顔を背ける雅。

「もう!!」
「何よ。ん?」

すっと雅の手を掬い取ると指を絡める悟浄。

「……ッッ…」
「ほら、腕組むことは無くても手ぐらい繋いでもエロにはなんねえと思うけど?」
「……ん」

そういって誕生日の悟浄の願いを叶えていく雅。行き交う女性はチラリと時折振り返っていく。
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