第43章 悟浄とのデート
その日は三蔵に抱かれることも無く、雅は隣り合って眠るだけとなった。買うは買ったものの、なかなか使うタイミングが来ない三蔵は少しばかり苛立ちも抱えていた。そんな中の悟浄の誕生日の前日、大き目の街に着いた。
「明日悟浄誕生日だね!」
「早朝にでも出発するか」
「三蔵?意地悪だよ?」
「……フン…」
「前回の村ではそれ程食料の調達等も出来なかったですし、色々と切れかけていたり……あ」
「どうかしたか?」
「雅?あなたの服、大分くたびれてませんか?」
「……まだ着れるし!!」
「この街に居る間に何点か見繕いませんか?」
「でも…」
「良いじゃねえの?」
「三蔵、ありがと」
「別に。俺が買いに行く訳じゃねえ」
「三蔵と一緒に行けば良いじゃないですか」
「俺はいい。八戒とでも行ってこい」
「だって!付き合ってくれる?」
「ぜひ」
そうして八戒との買い物の約束もできた雅。
「楽しそうだな」
「だって!いろいろ盛りだくさんじゃん?」
「フ…確かにそうだな」
「あ、悟浄!!」
「んー?」
「明日、九時に宿の前でどうかな!」
「おー、解った!」
「ん!」
「……楽しそうだな」
「悟浄と二人きりってのも初めてだし!」
「……チッ」
そう軽く舌打ちしている三蔵には気にも止めずに雅は荷物の片付けに入っていた。その日の夜もまた、三蔵はお預けを食らっていたのだ。