
第40章 思いがけないコト

「なんで持ってねえんだよ」
「いや、それ俺に振るか?」
「貴様しか持ってねえだろうが…」
「だって俺あんまりそれ、使わねえから」
「…マジか」
「マジ☆」
そう言いながらにっと笑い出す悟浄。
「ふぅぅぅん、それで昼間に買い物ってわけね」
「何々?三蔵何がほしかったの?」
「お猿ちゃんには必要ねえものだよ」
「猿って言うな!!」
「ねぇね?廊下まで聞こえてるよ?」
「あ、雅!!」
「どうかした?」
そう話しながらも雅は至極当然のように三蔵の横に腰を下ろす。
「そう言えばほしいの見つかった?三蔵」
「無かった」
「そっか…残念だね…」
「……フン…」
そう話しているのを見ていた八戒と悟浄。悟空は途中買った桃まんを食べていた。
「なぁ八戒?」
「はい?」
「お前…知ってたろ…三蔵のほしかったもの」
「えぇ、それで偶然見つけたお店まで教えたんですが…やっぱり三蔵にはあの店、入れなかったみたいですね」
「何?どんな店よ」
「まっピンクの壁にメイドのお姉さん」
「ふぅん。そりゃあの坊主じゃ入れねえよな」
「それにしても悟浄?本当に持ってないんですか?」
「あぁ、あれ嘘」
「…ハァ、三蔵に知れたら撃ち殺されますよ?」
「事前に準備くらいしとけっての。それに、小さいもんでも四つは入ってるぜ?使いきったくらいヤってるって事だろ?ならたまには意地悪くらいさせろって」
「あぁあ、全く。あなたって人は…」
そう笑い合いながらも二人でならんで話している雅と三蔵を見ていた。夕食も終え、それぞれの部屋に戻っていく。シャワーだけとはいえ、各部屋に付いていたため浴場でなくても良ければ部屋でシャワーが使えるのだった。
「三蔵…?」
「なんだ」
「…」
「どうした?」
「お買い物…残念だった…ね」
「まだそれ言ってんのか…」
「ん…」
「どうした。」
「今日三人でお買い物してる時にすごく派手なお店があったの!!八戒に聞いたら『悟浄の好きなお店だろう』って言われたの!そしたらね?中からお姉さん出てきたんだけどそれ見て八戒『やっぱり…』って!」
「それで?」
「メイドさんって格好しててね?私も着たいなぁって思ったら八戒に満面の笑みで全力に反対された…そしたらお姉さんが似合うと思うよ?何て言ってくれたりね?」
「……なるほどな」
「え?何がなるほど?」
キョトンとした顔で雅は三蔵を見つめた。
