第40章 思いがけないコト
「それで知っていたのか…八戒……」
事のなり行きが全て繋がった三蔵。しかし、あそこ以外に売っているわけもなさそうだった。しかし入りたくもない。
「……チッ…」
軽く舌打ちをすると、宿に戻った。なかなか切り出せない三蔵。
「…なぁ、なぁんか三蔵空気重くねえか?」
「そうですねえ…」
「知ってんのか?八戒」
「まぁ、でもあの様子だと買い物もできなかったようですから……」
「ほしいのなかったからって……クックッ」
「悟浄?」
「なんだぁ?」
「んーー、やっぱやめときます。」
「なんだそりゃ」
そう話していた。雅は何も知らないまま新聞を読む三蔵の横顔を見ていた。しかし、スッと立つ。
「雅?」
「おトイレ…」
「あ、すみません」
「ううん?」
そうして雅が席をたち、部屋を出た直後、三蔵は悟浄を呼んだ。
「おい」
「はい?」
「八戒じゃねえ」
「え、俺?」
「他に誰がいる」
「いや、悟空もいるしよ」
「こっち来い」
「なんだぁ?」
そういって三蔵のそばに寄ると三蔵も立ち上がり、グッと胸元を掴んだ。引き寄せると悟浄にしか聞こえないくらいの声で耳元で話し出す。
「おい、なんだよ!」
「……持ってるか」
「ほぇ?何を?」
「…ほら。」
「いや、『ほら』じゃわかんねえよ、何?」
「……ゴム。ひとつでいい」
「…あぁあ、無いわ」
その一言で三蔵はハァっと大きなため息を吐いて悟浄を解放した。