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凜恋心【最遊記】

第40章 思いがけないコト


そうして悟空と雅を払うと八戒は三蔵に問いかけた。

「もしかして…切れたんですか?在庫」
「……なんの話だ。」
「あんな風に雅を連れていった割には僕たちと買い物に来てますし。それでいて解りやすくも嘘を吐く。いくら吸いすぎとは言えそうそう消える量のストックではないはずです。これが街を出発する前の買い出しならともかく……」
「何が言いたい…」
「ですから。雅を抱くに抱けない状態にいるのかなと……」
「……クソ…」
「それでしたら、まっすぐに行って、最初の十字路を右に入って二件目。それらしいお店がありましたよ?ただ、あなたが入れれば、というところでしたが?」
「どういう意味だ…」
「さぁ、行ってみてください?百聞は一見に如かず…ですよ?」

そう言い残して八戒はお土産を買い終えた二人と合流して一足先に宿屋に帰っていった。言われた通りの道を進む三蔵。

「ここか……確かに…八戒の言う通りか…」

そこは他の店舗とは全く違い、異質にも取れるくらいの明るさを放った店だった。ショッキングピンクにも似た色合いの店のカラーリング、入り口のガラスには見方によっては卑猥にも取れるような文言。中から出てきた女性はメイドのような服装…

「あれ?お坊さん?」
「……なんでもねえよ」
「こういうお店、気になる?」

そう言うとスルリと腕を絡めてくるものの、スッと腕をほどく。

「んもぉ、さっきのメガネさんといいいい男には今日は恵まれないのかしら…」
「メガネ…?そいつは連れはいたか?」
「えぇ。可愛らしい少年と、ちょっとからかったら真っ赤になった女の子!食べちゃいたくなった」

その一言で三蔵はムッとして、ふいっと顔を背けた。

「もう行っちゃうの?」
「ここには用がねえからな」
「またきてねぇ!!!」

そういいながら両手を小さく振る女性。
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