• テキストサイズ

凜恋心【最遊記】

第5章 災難、そして心



「あの…八戒…?どう言うこと?」
「解りやすい方法で実践してみますか?」

そういうと八戒はどこからとなく、ナイフを取り出し左腕にあてがうとスッと引いた。そこからは真っ赤な血が流れ出る。

「八戒!ッッなに…!」
「この傷に手を翳かざして?そしてどうなればいいか願ってみてください」
「そんな急に…!」
「騙されたと思って、ほら」

そう話してる最中にも八戒の腕からは血が止まらない。微かに震える手を翳して雅は言われた通りに願いを込めた。すると、見ている間に八戒の腕に作られた傷は消えていく。

「……な…にこれ…」
「ね、だから言ったでしょう。僕の力にはなると…今までは防護壁、戦い、治癒…全て僕一人でしたから。僕の負担は格段に軽くなる。恐らく『あの!』…はい?」
「なんで私の力が…治癒だって…解ったの?」
「気とでもいいますか、気配?」
「気配って…」
「感情によって力が変わる。そう言いましたよね?その割に見た瞬間に優しくて温かい感覚だった。だとしたら、回復かなぁって思っただけですよ」
「もし違ったら…治せなかったらとか…考えなかったの!?」
「まぁ、こう見えても一応それなりに人を見る目はある方なんです」

くすりと笑いながらも八戒は嬉しそうに何もなかったかの様な腕を見つめていた。そんな時だ。

「はっかぁぁい!みやびー!」
「おや、悟空。どうしました?」
「腹減ったぁ!」
「まだ昼食には早いんじゃないですか?」
「なら休憩しようぜ!みやびも疲れてるだろ!?」
「私はまだ出来るけど…始めたばっかだし。」
「ぶぅぅぅ…何か八戒が二人に増えたみたいだ…」
「クスクス、光栄ですね、雅と一緒だなんて」
「えっ…?!え…?」
「始めたばかりではありますが、三蔵に話しもありますし…雅、悟空と街でも散歩してきますか?」
「やったぁぁぁ!!!」
「はい、これ」

そう言って少しお金を貰い、雅は悟空と街に出ていった。それを見送った八戒はにこやかに三蔵の居る部屋へと向かっていく。
/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp