第5章 災難、そして心
次の日から、八戒に付いて貰いながら、雅は力の使い方を学び始めた。
「まずは、自身の力のタイプと言いますか…それを把握しましょう」
「タイプ?」
「まぁ、性格…みたいなものですかね」
そういわれた雅。しかしそんな事を今まで一度も考えた事などなかった雅にしてみれば、どうしたら解るのさえ、解らなかった。
「あの、八戒……」
「はい?」
「私…全くそういうの解らないの……」
「どんな時に出るんでしたっけ?」
「昔は感情で色々変わるみたいだったけど、今は大分コントロール出来てきてる方だと思う…」
「そうですか、なら一度、見せて貰えると助かります」
そういいながら笑いかける八戒を前にして、雅はそっと両手を広げ、特に力を込めるわけでもないままに見つめていた。その時、ふわりと何色でもない光の玉らしきものが浮かび上がる。
「…なるほど」
「何か解ったの?八戒!」
「残念ながら雅、あなたは戦うことはできません。」
「…な…んで?」
突然八戒に突きつけられた言葉に雅はガツンと殴られるような感覚を覚えた。
「私…役に立たないって事かな…」
「…いえ?少なくとも僕の力、役にはたちます」
先程の戦うことは出来ないと言い放った八戒とは真逆に優しい表情顔で雅を見つめていた。