第39章 疑問と本音
「悟浄が変なこと言うから……」
「俺のせいかよ…クス…」
「他に誰がいるのよ」
「なぁ三蔵、腹減った…」
「うるせえ!」
「…平和ですねぇ…」
そう話しながらも街に着いた一行。買い出し、宿、食事……色々と意見が飛び交う中、少し早い昼食に向かった。相も変わらずに大量に注文し、届いては平らげていく悟空と、人並みの食事を楽しむ四人。
食事を済ませ、買い出しよりもまずは宿の確保、とした。
「…すみません、シングル二部屋と、ツインが一部屋になってしまうのですが…」
「あーー…どうします?」
「どうもこうも、良いんじゃね?」
そうしてその部屋を借りることにした。キーを出されるとすっと八戒の脇からシングルの部屋をひとつ取ると、三蔵は雅の手首を掴んでスタスタと先に言ってしまった。
「……あーー……」
「なぁ、もしかして…三蔵がここ最近機嫌悪かったのって……」
「…雅との時間が取れなかった…ということでしょうか…」
「…たく、ガキかよ」
「はは」
「フフフ…」
「あぁ、すみません」
「いえ、ではお布団…予備の分要らないですか?」
「あとベッドが三つなら……あ、大丈夫です」
「わかりました。
そう伝えてそれぞれ部屋割りを決めようかとしていた。
その頃の三蔵と雅。
「ちょ…っ!三蔵?」
雅の言葉も聞かないで部屋に入ると内鍵をかけた三蔵。ドサリと荷物を降ろすとぎゅっと抱き締めた。
「さ……んぞ?」
「……ッ…」
「ねぇ…三蔵?」
「少し…黙ってろ…」
「どうかした?」
「…うるせえよ…」