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凜恋心【最遊記】

第39章 疑問と本音


翌朝…なにも言わない雅を見て、住職は申し訳なさそうに近付いてくる。

「あの……女人様?」
「……」
「おい、呼ばれてるぞ」
「え?私?」
「他にどこに女が居るんだ」
「あ、そか。」
「……ッ…ハァ…昨夜は大変失礼しました。」
「あ、いいですよ…別に」
「そうは言われましても……ご……強姦など……」
「強姦?未遂でしょ?」
「…しかし!」
「別に?たいして……って言うか、お坊さんも大変なんだなぁって……それに住職さんも大変だなぁって…」
「え?そういわれますと?」
「…人の事襲っておいて殴られた方が重罪なんて笑っちゃうなって。大それたこと言っても煩悩にまみれてる方が素直になれるってもう少し知った方がいいのに…、あ、出来ないのか…御仏様の御前、でしたっけ?」

そう言いながらもにこやかに笑い離している雅を見て悟浄と悟空は顔を見合わせていた。

「なんか…俺…雅が怖い……」
「たまにあぁ言うとこあるよな…雅って…」
「三蔵に似てきたんじゃんね?」
「やぁなとこだけに似てきてんじゃねえって…」
「なにか言ったか…」
「別に?」
「雅?そのくらいにしておかないと…」
「八戒?私なにも怒ってないよ?」
「いえ…そのご住職さんが……」
「あの……本当にすみませんでした」
「頭下げて欲しいなんて頼んでないです。その代わり…」
「その代わり……なんでございましょうか…」
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