第38章 神と煩悩の狭間
「すぐよくなるからな…」
「黙ってろよ?」
「ンンーー!!」
「胸は…少し小さいがまぁいいか…」
「ヘヘ、男よりは気持ちい体だろ?」
「まぁなぁ」
そう話しながら舌を這わせる。思いっきり顔を左右に振り口を押さえる手が外れた瞬間だった。
「…んぞ……三蔵ーー!!」
「…ッ!こいつ!おい!しっかり押さえてろって!」
「黙れっていってんだろうが!」
バシッと頬を叩かれ再度口を塞がれた雅。しかし、その声を三蔵が聞き逃すはずもなかった。
パシィィン!!
勢いよく襖は開き、見張りの坊主達もハッとうたた寝から目を覚ます。
「三蔵法師様!」
「退け!」
そのまま一目散に素足のまま庭に出てくる。
「おい!逃げろ!」
「捕まったら終わりだぞ!」
そういう坊主達のいくてを阻むかの様に悟浄と八戒も出てくる。少し遅れて悟空も参戦した。それをみて三蔵は雅のもとへとかけてくる。
「おい…!」
「……三蔵…ぉ」
「なにされた…」
「なにも……ただ…」
「…ッッ…チッ…もういい」
ふわりと抱き締めた三蔵。
「悪かった……」
「さ…んぞ…」
そんな所に悟浄と八戒が男共を連れてやってきた。
「おい、三蔵。どうする?」
「……」
三蔵は法衣を脱ぎ、雅に着せると八戒に目配せをして雅に着いて貰うと、二人の前にたった。
「何してんだよ、てめえら」
「な……何って……女人が…寒くないかと……」
「吐くならもっとましな嘘吐けってんだ、よ!!」
言い終わるが早いか三蔵の拳はその坊主の頬に直撃した。