第37章 予期せぬ治療
キャァァーーー!!!!
その叫び声は夜中と言うにふさわしい時刻に響き渡った。
「何だってんだ…?!」
「チッ…」
「な…なに?」
「……んー…もう朝飯?」
思うことはそれぞれだったにも関わらず、声のする方に集まってきた。しかし時遅かったのか、街の住人は何人か切られていた。その開いては妖怪…街や村を荒らしている元凶達だった。
「なんなんだ…一体…」
「こっちに、避難してください!!」
しかし切られたもの達は既に息絶えている。そんな中だった。
「目を開けて!!ねえ!!」
若い女性が小さな子供を抱き抱えて泣き叫んでいた。切られたのはどうやら娘の方で、母親が生き残ってしまったらしい。
「おい、そんな所に居たら…」
そう声をかけながら悟浄は女性に手を貸した。
「でも…!この子……この子が…!」
「…見せて…?」
そういって悟浄の体の脇からひょこっと顔を出した雅。手を翳し、女の子の体に意識を集中させた。
「ン……」
「良かった、もう大丈夫!」
「嘘…ありがとうございます!」
「良かった!」
「雅、早く退いてろ」
「ん、そうする…」
そうして退き、走り出した。しかしそんな時だ、子供を抱き抱えた女性が思うように立ち上がれなく、妖怪に目をつけられた。
「けけけ!!!」
それに気付いた悟浄だったが鎌は他の妖怪を切り刻んでる最中、カシャンと戻るが早いか振り上げるが間に合わなかった。しかしその女性の間に入った悟浄の体には妖怪の爪が食い込んでいた。
「ふ…ふはははは!!」
「…死ねよ」
そういいながらも鎌を振り上げた。いともあっさりと刈っていく。カシャンと収まったのを合図にどさりと倒れ込んだ悟浄。女性は怖くなり走り逃げていく…
「悟浄!!」
「おい、大丈夫かよ!悟浄!!」
「あぁんま揺らすなって……ッッ…」
「退いて?」