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凜恋心【最遊記】

第37章 予期せぬ治療


そういっておやすみ、と言い残して雅は八戒の眠る部屋を後にした。何とも騒がしい食事の場面も出くわすことになるが、何とか落ち着くかの様に旅路の疲れを癒そうとしていた。

「ぷっはぁーー、やっぱ、湯船はいいなぁ」
「だな…!」
「雅も入ってんだろうな!」
「そりゃ、一緒じゃないのが残念だけど?」
「黙れ、糞河童」
「うわ…三蔵マジでキレそう」
「冗談だって!」
「貴様のは冗談に聞こえねえからな」
「ははは…」

そんな会話をされているとも知らずに雅はのんびりと女湯に浸かっていた。艶やかに洗われた髪もしっかりと乾かして、部屋に戻る。

「いいお湯だった……!」

そうして荷物を片付けると八戒の様子をみに隣の部屋に向かっていった。

コンコン

『……はい』
「八戒…?どう?」
「雅ですか…ありがとうございます。まだ熱下がらないみたいで…はは、情けないですね…」
「そっか…お薬なかなか効かない?」
「そんなこともないと思うんです。体のだるさは大分落ち着いてきてると思うので…」

そう話しているとキィっと扉は開き三蔵が入ってくる。

「どうだ、調子は…」
「あぁ、三蔵まで…すみません…こんな時に…」
「こんな時もどんな時も関係ねえだろうが。ちょうどいいからゆっくりと治す事だけ考えろ」
「ありがとうございます。」

そしてゆっくりと目蓋を閉じる八戒をみて雅と三蔵は部屋を後にしていった。

「八戒…早く良くなるといいね…」
「大分疲れが溜まってたんだろう、ゆっくりと寝かせてやれ…」
「そうだね」

そういってそれぞれの部屋に別れていった。

そんな何でもない一日が終わろうとしていた時だ。
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