第34章 目眩く愛、徒然
「あの……ね」
「…あぁ」
ドクドクと緊張で高鳴る鼓動を押さえながらも雅はうまく言葉にできずにいた。しかし三蔵の表情からもこれ以上は『言えない』と待たせるのは限界だと感じていたのも事実だった。
「……ッッ」
ゆっくりと首に巻き付き、雅は三蔵の耳元で問いかけた。
「三蔵は……その…エッチの時……どうしたら悦んでくれる?」
「……何言ってんだ」
「……ッッ…ごめん…やっぱいい…!!」
そういうとバッと離れるとベッドに潜り込んだ。去り際だけは早い雅を見て、三蔵は呆気に取られるもののすぐにベッドに乗り上げた。
「まさか…とは思うが、それ聞くためにあいつのところに居たんじゃねえだろうな?」
「……それは……」
「隠れてねえで出てこい」
「…ちょ…っと!!や!」
「布団引っ張ってんじゃねえ!出てこい!」
そういわれながらも布団をバッと引っ剥がされた雅。
「言えよ、それで悟浄のところに行ったのか?」
「……ん」
「…ハァァァ…全く何考えてんだ……」
「だって…三蔵にも…その……」
「その、なんだ」
「…察してください」
「断る」
「……ッッ…」
「はっきり言えよ…」
「……三蔵にも……気持ちよくなってほしい……」
うつむきながらも答える雅。三蔵は顔色一つ変えること無く聞いていた。
「何か私ばっか気持ちよくて……三蔵に…返して上げれなくて…どうしたらいいかとか…悟浄なら知ってると思ったから…三蔵に聞けないし…」
「ほぅ……それで?」
「…でも悟浄に聞いても三蔵に聞いてみたらいいんじゃねえのとか…三蔵と俺じゃ気持ちい形も違うしとか……三蔵にシて貰って気持ちい事なら三蔵も気持ちいんじゃね?とか…」
「あのバカ…」
「だから……どうしていいかわかんなくなるし…」
「…で、さっきの質問って訳か…」
「……ん」
「バカか、本当に……」
そういうと三蔵はどさりとベッドに横になった。