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凜恋心【最遊記】

第34章 目眩く愛、徒然


部屋に戻ると電気をつけて椅子に座る三蔵。雅はポスンとベッドの縁に座っていた。

「…おい」
「なに?」
「……いや、いい」
「何?三蔵らしくない…」
「……別に。大したことじゃない」
「そう?」

そう短く答えた雅。何かよそよそしい感じにも取れるその行動に三蔵ははぁっ…とため息を吐いた。

「おい、なんでそんなよそよそしいんだ…」
「え?そんなこと無い……と思うけど…」
「まさかと思うがあの男と何かあったのか?」
「違うよ?悟浄には少し聞きたいことがあって……それだけ…」
「そうか。で?」
「え?」
「何聞いてたんだよ」
「…それ、言わなきゃダメ?」
「別に言いたくないなら言わなくていい」
「……ん」

そういって俯いてしまう雅。少しの沈黙の後に雅は三蔵の前に行くと話し始めた。

「あのね…三蔵……」
「…何だ」
「どうしたら…悦びますか?」
「……何がだ、てかなんだそのしゃべり方…」
「…だって……」
「喜ぶって…何に対してだ…」
「だから……その…」
「はっきり言え。」
「その……」

俯いたままの雅にまたもため息を吐く三蔵。読み始めたばかりの新聞を置き、メガネも外すとまっすぐに雅を見つめる。
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