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凜恋心【最遊記】

第30章 傷だらけの導


「白竜、一緒にいようね!」
「キュキュキューー!」
「ありがとう」

そう言いながらも一緒にベッドに座っていた。力を具現化させ、白竜に見せると嬉しそうにその小さな玉で遊んでいる白竜。夜も遅くなった時、まだ帰ってきてないのだろう、心配になって雅は三蔵の居る部屋に向かった。

コンコン

『…誰だ』
「あ、ごめんね?はいっていい?」

そう声をかけて雅は三蔵の部屋に入る。三蔵のベッド以外はやはり空だった。

「やっぱり…皆まだ戻ってなかったんだ…」
「あぁ、どこで何してるんだか…」

そう話していた時だ。宿主がやってきた。

「こちらにいましたか、お客様はお部屋にお戻りください。そして三蔵法師様、お話が…」
「なんだ、こんな時間に」
「お連れ様が何やら捕まってしまったらしく。迎えに行って欲しいと連絡がありまして…」
「なんだと?」
「捕まったって……皆?」
「えぇ、三人ともらしいのですが…」
「ハァア…」

そうため息を吐き、雅に『部屋に戻ってろ』と言い残し、三蔵は宿主に着いていくことにした。

「三蔵!!」
「なんだ」

そう呼び止めると雅はネックレスを外して三蔵に手渡した。

「……持ってって?」
「何のため『いいから…!』……迎えに行って来るだけだ」
「……気を付けてね?お願い…」
「あぁ。」

そうして雅はただ、三蔵を見送るしか出来ずに白竜の居る部屋に戻ることになった。

「白竜…大丈夫かな…」
「キュキュ…?」
「大丈夫…考えすぎだよね……」
「キュキュゥゥゥ」

そうしてなかなか眠れずにいた。
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