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凜恋心【最遊記】

第29章 夜空に咲く、花


「そろそろあいつらが戻ってくる…」
「クス…」

そうしてそっと離れて時期に悟空と八戒は戻ってきた。

「ただいまぁ!!」
「おかえりなさい!八戒、今日はごめんね?お買い物……」
「いえ、いいんですよ、たまに三蔵と二人というのも楽しかったですか?」
「うん!街の広場にお散歩行ってきた!」
「そうですか、それは何より」
「片付けは手伝うね!」

そういって八戒の手伝いを始める雅。荷物に缶詰や買ってきた食料、備品を詰めていく。

「あれ…?」

そう、雅は一つの荷物に手が止まる。

「…どうかしましたか?あ…それ」
「これ…誰の?」
「貸してください?雅」

そういって八戒は雅からその荷物を受けとると三蔵の前に歩みよった。

「…なんだ?」
「これ、三蔵に」
「俺は何も頼んじゃいねぇはずだが?」
「えぇ、これは僕と悟空からのいつものお礼ですよ。受け取ってください?」
「……なんだこれは」

そう言いながらも袋の中を見た三蔵。中には、白シャツに白いTシャツ、それに黒の上着と細身のデニムが入っていた。

「で…?これをどうしろと?」
「今回みたいにまだ妖怪に襲われていない街や村だってこれから先たまにあると思うんです。その時に雅と出掛ける時には、そういう服だって悪くないと思うんですよ。」
「……」
「いきなりいろんな色やデザインだと、三蔵絶対着ないでしょうから。シンプルにしてみました。」
「……八戒、それって…」
「私服とでも言いましょうか?法衣ばっかりだと雅に飽きられちゃいますよ?」
「そんな……私そんなことは…」
「まぁ雅、黙ってろって」

悟空に小さく耳打ちされた雅。三蔵の返事をただずっと待っていた。

「……ハァア……」
「どうです?三蔵」
「…そんなに着ねえからな」
「いいんですよ、たまにで。」
「…三蔵、着るの?」
「俺が着たら不満か?」
「そんなこと無い!!着てるのみたい!!」
「……フン…」

そう返事しながらも、紙袋の口を元の様に折り畳み、脇に置いた三蔵。
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