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凜恋心【最遊記】

第28章 公園デート


「…おい」
「……クスクス……」
「おい…!」
「ごめ……ちょっと……まって…」
「笑いすぎだろうが…テメエは」
「だって…怒ってるって…」
「雅が説明してやってもよかっただろう…」
「そうなんだけど…三蔵が小さい子と話してるのも見てみたかった」
「ガキと話してるの何ざ今までにも見てるだろうが」
「でも…こんなのんびりとした、ふんわりな環境での会話って無かったでしょ?だから…」
「…ん?だから、何だ」
「でも……三蔵の事、もっと好きになった。」
「変わり者だな…」
「そうかな…」
「そうだろうが。普通は八戒や、それこそ悟浄になびいたりするだろうが。」
「悟空は対象外なんだ」
「年下だろう?それとも見境無いのか?」
「それはひどくない?もし三蔵が年下だったとしても私好きになってたと思うよ?」
「まぁそんなことはいい。」
「そうかも…よく言われる……」
「言われてんのか」
「うん。」
「……チッ」

しかし、そんなことであっても雅の頬は緩んだままだった。少し座ろうと言い出して雅は三蔵が居たベンチに戻っていった。

「八戒のが基本優しい割にちゃんとだめなときは怒ってくれるし…悟浄のが女の子好き過ぎて困るかもけど、根はすごく一途でなんだかんだって傍に居てくれて…悟空は底抜けに明るいけど、たまに泣いていいって言ってくれる位強く居てくれる…その癖三蔵は目付き悪いし、すぐ舌打ちするし、ばかとか言うし……」
「…ほぅ?」
「でもね…?三蔵がいいの…初めは、生まれて育った村でも居心地悪いところから救い出してくれたからそれがとても嬉しくて……光に見えて、それに惹かれてたんだと思う。だけど、一緒に過ごしてたらね?すごく優しくて…言葉に上手く出来ないんだけど…」

そこまで言うと雅は言葉が詰まった。そんな相手をチラリと見る三蔵。

「…けど、どうした?」
「愛おしいなって……傍に居ると歯がゆくて、ふわふわして…ドキドキして…あったかい気持ちになるの。」

そこまで話すと雅はまたも無防備にふにゃりと笑っていた。

「あ……」
「今度はなんだ…」
「だめ……」
「何がだめなんだ…」
「今、すっごく三蔵に巻き付きたくなっちゃった」
「却下」
「ですよね…クス」
「その代わり…」

そう言うと三蔵は先に立ち上がるとそっと手を差し出した。
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