第27章 安らぎのパープル
「三蔵、ありがとう!」
「フン…無くすんじゃねぇよ?」
「ん!!」
胸元にはピンク色の桜が、左手首には紫色のブレスレットが、それぞれかかり、雅はどちらも愛おしそうに触れていた。
「あぁあ、なんでその色が好きなんだろうね」
「…だからいちいち俺を見るな」
「クスクス、悟浄?野暮ですよ?そうだ、どこかで休憩しませんか?」
「賛成!!」
そう言って休憩と言う名の八戒の欲しい安らぎの時間になった。
「いらっしゃいませ!」
「♪~♪…店員チャン、当たりだな」
「悟浄…やめてください…恥ずかしい」
「五人だ」
「五名様ですね?どうぞ」
そうにこやかに案内された一行。悟浄はいつになく上機嫌だった。
「……ん、二十一だな」
「どっから出した、その数字」
「お肌の張りで解るんだよ」
「解りたくないですが」
「二十一だと私と同じ?」
「そうだなぁ…まぁ、雅は最近また一段と可愛くなってるからな」
「……ばか」
「こちらでよろしいですか?」
「はい」
「なぁなぁ、あれって何?」
「…んーー、ありゃドリンクサーバーだな」
「あそこにあるレバーを回すと中に入ってるドリンクが流れてくるって仕組みです」
「飲み放題じゃん!!」
「つまみ出されるがな」
「何にしますか?」
「えーっと、…」
「ご注文決まりましたら、また呼んでくださいね?」
そういって店員はその場を離れた。
「……いいねぇ…彼氏持ちか?」
「僕に聞かないでください」
「女じゃなくて、注文決めろ」
「彼女いる三蔵にゃわかんねぇよな」
「うるせえ」
「えっと……あ!オレンジジュースあった」
「雅オレンジジュース?だけでいいの?俺は…どれもうまそうだなぁ」
「飯食いに来たんじゃねぇからな」
そういう三蔵にも耳を傾けること無く悟空はどれがいいかと迷っている。
「決まったか?呼ぶぞ」
「はい」
そうして悟浄が手をあげる。