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凜恋心【最遊記】

第27章 安らぎのパープル


「それはもうずいぶん前だろ?旅の仲間としての。」
「仲間じゃねぇよ、下僕だ」
「あー、はいはい。それに、ネックレスとブレスレットじゃ意味が違うだろ」
「……でも…」
「無理に買う事はねぇよ」
「…三蔵?」
「なんだ」
「もう一回だけ……見に行ってもいい?」
「好きにしろ」

そう言われると満面の笑みで来た道を戻っていく。

「あぁあぁ、あんな笑顔で…あれ見ても買ってやらないの?」
「誰も買わんとは言ってないだろうが」
「ほえぇ?」
「自分で欲しいと言えば良いだろう」
「…うわ…」
「なんだ」
「何か…雅が欲しいって言ったらなんでも買いそうに取れるぞ?三蔵」
「バカが…そんな事あるか」
「いえ…気付かないだけであり得そうなのが少し怖いですけどね?」

クスクスと笑い会う悟浄と八戒。ふんっと目を細める三蔵。ようやく始めに立ち寄った露店を見つけた。

「おんや?また来てくれたのかい?」
「おじさん、また見せてくれる?」
「あぁ、いいよ、ゆっくりと見ていきな!」
「なぁなぁ、やっぱり雅ならこっちのが似合うと思うよ?」
「ん、そっかな……」
「なぁな!悟浄や八戒は?」
「まぁ、雅のイメージってのならこっちの白かなぁ」
「雅?なぜこの色にこだわるんです?」
「……それは…」
「それは?」
「……ほら、あんまり見ない色でしょ?なんか…」
「…クスクス…見ない色…ですか」
「だったらさ!こっちは?」
「……どうするんだ」
「三蔵…これ…買ってもいい?」
「おい、主人。」
「毎度ありがとうございます!」

そういって雅はブレスレットを買って貰った。嬉しそうに填めて口許が緩んでいる時、悟空は声をかける。

「なぁ雅?なんでその色にしたんだ?俺てっきり雅白とかピンクとか…そういうのにすると思った!!」
「……ん、この色、最近の私の好きな色なんだ…」
「そうだったのか…!」
「ん」

にこりと微笑みながら雅は三蔵に向かって見上げていた。
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