第27章 安らぎのパープル
朝食を食べながらも八戒は口火を切った。
「そういえば、この街、まだ妖怪に襲われた事は無さそうですね。」
「何だ、藪から棒に」
「いえね?お祭りというわけではないみたいなんですが、街の雰囲気がすごく明るいですし。露店とかもたくさんありましたし。」
「露店!?」
「雅が食いついたな」
「珍しい…」
「見たい!行きたい!」
「…好きにしろ」
「じゃぁ、朝食終わったらみんなで行ってみましょうか。」
「やった!!」
そう嬉しそうに話して居た。
「それにしても、雅が珍しいな」
「そうですね。」
「悟空が食いつくならまだしも…何かあったか?三蔵」
「俺に聞くな。知らん」
「ふぅぅぅん。」
「何が言いたい。」
「いんやぁ???」
意味ありげに笑う悟浄。しかし、朝食も早々に終わると支度をしにそれぞれ向かう。
「じゃぁ、五分後には入り口に集合な?」
「わかった!」
そう答えて二部屋に別れていく。
「雅!行くぞ!」
悟空に促されながらも髪をまとめる雅。
「待って?ごめん!」
「なんだよ、先行くぞ?」
「うん!すぐ行く!」
そういいながら短いながらも少し結っていく。
「お待たせ!」
「遅せぇよ」
「……おんやぁ?」
「悟浄…あんまり見ないで…」
「いや、可愛いじゃん?」
結った髪をまず褒めたのは予想通りに悟浄だった。三蔵は気付いたのか気付いてないか解らないものの、顔には出す事は無かった。
「あれ、三蔵も行くの?」
「たばこが切れた」
「そか!」
しかし嬉しそうな雅を見て八戒や悟浄も、嬉しそうだった。街の広場には色々な露店や屋台が店の合間にたくさん出ている。
「…わぁ」
目をキラキラとさせる雅。
「ね!みて!!すごい!」
「雅、うっれしそうー!」
「ねぇ!あっち見てきていい?」
「はぐれんな」