第26章 眠れぬ夜
それぞれが眠りに着いて、少しした時だ。雅はふと目が覚める。…と言うよりも眠れずに居たのだ。しっかりと寝入っている悟空を横に見ながら、雅はそっとベッドを抜け出すようにゆっくりと後にした。外に出ると小さな庭にあるベンチに座る。フッと吹いた風に誘われる様に夜空を見上げた雅。
「……ハァ…」
小さくため息を着いた。そのままどうするでも無く、ただ夜空を見上げている。
「……何してんだ」
「…え?……」
そう声をかけられて横を向く雅は、ふっと目を細めた。
「三蔵…」
「またどこかに行く気か?」
「…違うよ?なんか…眠れなくて…」
「そうか…」
そう答えると雅の横に腰をゆっくりと下ろした三蔵。カチッと火を付け、たばこを吸い出す。
「……三蔵も?眠れないの?」
「まぁな」
「そっか……」
「お前は……本当に眠れないだけか?」
そう意味ありげに三蔵は雅に聞いた。
「…なんか…いつも三蔵と一緒の部屋だったから……」
「……フゥゥ」
「あ……ごめん…なんでもない…」
「いいんじゃねぇの?」
そう答える三蔵。何も無いかの様に三蔵はたばこを吹かしている。そんな三蔵をじっと見ている雅の視線を感じ、三蔵は声をかけた。