第4章 決心
一晩の野宿、もう少しで着くという所ではあるが、白竜の体力等も考えてこの日の夜は野宿にすることに決めた一行。不幸中の幸い、雅も外で眠る事には慣れていたためすんなりと決まった。
「…ン」
それでもやはり勝手は少し違う。なかなか寝付けずに雅は目を覚ました。
「…ハァ」
「……眠れませんか?」
そう声をかけてきたのは八戒だった。
「八戒……」
「どうしましたか?昼間から浮かない顔してますが…?」
「どうって事はないんだけど…」
「話なら聞きますよ?」
フッと笑う八戒に誘われるように雅は口を開いた。
「ねぇ…八戒?」
「はい」
「少しだけ…触れてもいい?」
「え?」
「あ…迷惑ならいいの…急に変なこと言っちゃって…」
「いえ。どうぞ?」
そう答えると両手を広げる、八戒の手にそっと触れる雅は、時期に離した。
「温かい…」
「…どうしました?」
「昼間に三蔵に聞いたの…妖怪だって。正確には八戒が妖怪、悟浄が妖怪と人間のハーフ、悟空が岩から生まれた異端児だって…それ聞くまで私みんなの事めちゃくちゃ強い人間だって思ってたの。だから話聞いて貰っても、優しくされても何が解るの?ってどこかで思ってた…でも妖怪だとか岩から生まれるとか…私の事以上にみんな過酷で…」
「雅…」
「……私、三蔵に…答え出さなくちゃいけないの…次の町で別れるか、着いていくか…」
「迷っているんですね?」
「ん。昼間に約束したばかりだけど…私なんて強くない。皆みたいに妖怪と戦ったりなんて出来ない。あの妖怪達も、三蔵目当てだとしたら私がいたら足手まといになっちゃうだろうし…」
「じゃぁ、やめますか?」
「でも…ね?八戒…私、三蔵達と…三蔵といろんなもの見たいなって思うの。」
「三蔵と?」
「ん、初めてだったから…あぁやって、手を差し出してくれた人…」