第25章 眩しき光
そう言う三蔵。
「でさ、三蔵。そうまで三蔵にさせる雅って何者?」
「…昼間っから何でテメェはそれ聞きたがるんだ。」
「いや、何て言うかさ。」
「雅あいつに聞けとか言われたのか?」
「雅?ちげぇよ」
「じゃぁなんだ?」
「いやさ?三蔵いつも言ってたろ。守るもんなんざ面倒クセェ、要らねぇよって言ってたろ?それがなんで雅に関してはあぁも執着してんのかなって。」
そう言いきった悟浄を見ながら三蔵は少し俯き加減にたばこに火を付ける。一つたばこの煙を吹き上げると、無意識の内にフッと笑いながら、答えた。
「俺だって予定外だよ。こんなことになるなんざ」
「三蔵?」
「マジで答えてくれんの?」
「いつまでもしつこく聞かれんのもうっとうしいだけだ。」
「まぁまぁ、それで?」
「無理して笑って、初めてあいつと会った村で、初めてお前らと話している雅を見て…放っておけなかったんだよ」
黙々と話していく三蔵。
「それで、次の街に向かっていく内に初めて会話したときに反論してきやがった。」
「……三蔵?」
「それだけだ」
「ほぇぇ…三蔵が真面目に答えるとは…」
「それで次の村に着いた時には既に連れていく気満々だったんですね」
「……ん?八戒、なんで?」
「ほら。三蔵が自ら雅に頼まれてもいないのに、ネックレス買っていたでしょう?それで、『あぁ、三蔵落ちちゃったんだ』なんて僕は思っていましたけど?」
「落ちたとか言うな」
「ふぅん、三蔵も一目惚れとかあるんだ」
「でも雅最初髪長かったじゃん?三蔵長いのが好みなのかと思った。」
「見た目で好きになるなんて、貴様と一緒にするな」
「でも、と言う事は三蔵ももうチェリーちゃんじゃなくなっ『うるせえ』……まだ最後まで言ってねぇし!」
「これ以上は何も答えん」
そういうと三蔵はふいっと窓の外に顔を向けてたばこをふかし始めた。