第25章 眩しき光
♢ room三蔵・八戒・悟浄 ♢
「なぁ三蔵?」
「なんだ…」
「何でそんな不機嫌なわけ?」
「別に…普通だ」
「……三蔵?」
「……ハァ」
「悟空に取られるわけでもねぇんだから」
「別に気にしちゃいねぇよ」
「じゃぁ俺も行こうかな?」
「…貴様は行くな」
そう言ってキッと見上げた三蔵。
「なぁ、所でさ?三蔵」
「…なんだ!」
「雅の事、本気なわけ?」
「……何言ってんだ、貴様は」
「いや…俺さ、思ったんだけど。」
そう切り出すと悟浄は肘を付いて、三蔵に視線を送る。
「もしこれから先さ、いつかは雅と離れるときが来たら、どうするのかと思って…」
「それは…そうですね…」
「……」
「まさかと思うが、考えていなかったってことは…」
「…フン…」
その返答から、三蔵自身考えていなかったことを意味していた。
「どうするおつもりですか?」
「どうもこうもねぇよ」
「ずっとこんな日が続く、何て事言わねえだろうな」
「……いつかは、そうだな」
「三蔵」
「その時には、俺はきっと雅に恨まれるだろうな」
「……」
そう言う三蔵。そんな相手に言葉を見失った悟浄。しかし、そんな二人の沈黙を破ったのは八戒だった。
「でも…」
「ん?」
「そのいつかが来るまでの間は、雅の事目一杯愛してあげれるんですよね?」
「……はは…キッツいなぁ、八戒…」
「当然だろうが。悟浄こいつになんぞ渡す気なんて毛頭無い」
「悟空であっても?」
「あの猿に渡すくらいなら八戒のがまだマシだ」
「おや、それは光栄ですね」
「ちょっと待て、俺は論外ってか?」
「自分のやって来た前科を考えてみろ」
「……忘れたんじゃねぇのかよ」
「フン……」
「まぁまぁ、ではもし、仮に、菩薩が雅の記憶を消そうとしていたら?」
「なんだそりゃ」
「もし仮にでもそんな事しやがるってんならいつだったかに言った答えと同じだ。…ぶっ殺す」