第24章 戻りくる日常
その日もまた、野宿となる。白竜にはそのままジープのまま居て貰い、悟空、悟浄、八戒は降りて三蔵と雅だけ乗ったままいた。
「…ン…」
「起きたか」
「…さ…んぞ…」
「全く…」
「あの……私…」
「言いたいことがあるなら聞く」
そう言うと後部座席と助手席と言う距離のまま、また、振り向きもしないまま三蔵は雅の言葉を待った。
「私…勝手に三蔵からの手紙だなんて思い込んで…」
「…それがどんな物かは俺は知らん」
「…そうだよね…」
それから少しの沈黙が二人を包み込んだ。
「俺は…一度も雅を要らないと要った覚えな無い」
「……ん…」
「それでもお前がそう思ったんならそうなのかも知れん」
「…三蔵……」
「だけど言った筈だ。」
「…三蔵?」
「もう俺以外のところに行こうとするなって…」
「…ん」
「ハァ…」
そうひとつため息を吐くと、三蔵は助手席から降り、後部座席へと移ってくる。横に座ると腕を組んだまま、口許は相変わらずへの字になっていた。