第23章 揺れる心
吠登城に紅孩児と独角兕が戻った知らせを受けて八百鼡はパタパタと走り寄ってくる。
「紅孩児様!独角兕!」
「……八百鼡か」
「雅さんは戻られたんですか?」
「あぁ。」
そう話していた時、後ろから気配もなく你がやってきた。
「おやまぁ、せーっかく用意して上げたのに…子猫ちゃん返しちゃったの?」
「…你……」
「困った皇子サマだねぇ。」
「あんな姑息な手を使ってまで、狙うわけにはいかない。」
「そんな甘っちょろい事ばかり言ってると自分が痛い目みるよ?」
「……どう言う事だ」
「さぁ、ボクは一般的な事を言ってるだけだからねぇ」
そう言うと你は相変わらずウサギの人形をもって遊んでいる。
「…おい、聞きたいことがある」
「なぁに?皇子サマ☆」
「貴様が雅に手紙を送りつけたのか?」
「…さぁ、何の事かなぁ?」
そう交わしながらも後ろ手に手を振り去っていった。
「作戦も失敗……次はどうやって遊ぼうかなぁ?」
そう呟いていた。