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凜恋心【最遊記】

第23章 揺れる心


そういって悟浄は茂みの中に入っていく。そんな時、ガサッと枯れ葉を踏む音がした。

「誰だ…」
「悟浄…悟浄か?」

そうして現れたのは独角兕だった。

「独角…!!」
「悟浄、聞きたいことがある。」
「なに…俺もだ!」
「落ち着け、お前ら一行と一緒にいた女、雅だったな。あの女、昨日様子がおかしかったとか無かったか?」
「様子がおかしい…てのは…」
「そうか、」
「でも独角!お前んとこのが連れて帰ったって…」
「あぁ。確かに紅が連れてきたが…何か様子がおかしいんだ。」
「様子がって…」
「あの女、力かなんか持ってるか?」
「んぁ?…あぁ、まぁ。でも攻撃タイプじゃねぇからな」
「攻撃じゃない?そんな筈は…!」
「あぁん?間違いねぇぞ?それより無事なんだろうな!」
「無事ではある。ただ、紅と八百鼡が匿ってる。」
「そうか…」

そう会話をすると独角兕は夜中に悪かったと、去っていく。

「どうなってんだ…?」

少し不審に思いながらも悟浄は戻っていった。翌日の朝、皆起きた時に昨夜の独角兕との会話を話した悟浄。

「おかしいですね。」
「だろ?」
「三蔵、どう思います?」
「知らん」
「少しは考えてください。振りでも良いですから。」
「それに何の意味がある」
「三蔵…」
「雅は攻撃にゃ向いてないんだろ?」
「えぇ。父親を昔に殺してしまったとはいえそれは力の暴発みたいなものですから、コントロールができている現状では考えられないことです。」
「そうも言い切れんだろうが。」
「三蔵?」
「何かの拍子で心が壊れかけたらそんなコントロール何ざ出来ねぇよ。悟空の金環だったり、八戒の制御装置が付いてるわけでもねぇ。」
「……雅のあのピアス…なんでしょうか…」
「あぁ、言ってた黒いのってやつか?」
「えぇ。」
「なぁなぁ、雅って紅孩児と一緒にいるんだろ?だったら会いに来てもらったら良くねぇ?」
「あ、なーる!」
「要らん」

そうやっと口を開いた三蔵は一喝して拒否をする。
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