第23章 揺れる心
しかしそれ以上は突っ込んでいけないでいる悟空を横目で見ながらもいつもよりも風通りの良い左右それぞれの肩に違和感すら感じていた。
「始めはこうだったんだけどさ…」
「それ以上言うな、猿」
そう悟浄に突っ込まれながらも俯いてしまった。
「俺…ちゃんと話してねぇんだよ」
「…それがなんだ」
「……皆さん?話してる余裕無いみたいですよ?」
そう八戒に言われると同時に妖怪達が襲ってくる。
「ケケケケ!三蔵一行!見つけた『ガウンッ!!』………ひ…怯むな!!」
誰よりも早く三蔵が昇霊銃を撃ち放っていた。
「うぜぇんだよ」
「あらーーー……三蔵サマ…超不機嫌?ってか激おこ…?」
「まぁ、普通の事ですね…雅が連れていかれ、その下の方々が来られたんじゃ…」
「くっちゃべってねぇでさっさと殺れ」
「にしても、お怒りにも程ねぇか?」
「まぁまぁ」
そう八戒に宥められながらもどんどんと殺る一行。しかし、最後の数匹になった時だ。
「おい」
そう言いながらも三蔵は昇霊銃を懐にしまうと近づいた。
「ヒィィィ!」
「騒ぐな。聞きたいことがある。」
「……な…!なんだ!」
「お前らの上司、紅孩児が昨日女を連れて帰らなかったか?」
「し……知らねぇし、知っていたとしても誰が教えるか…!バカ『パンッ』………」
最後まで言い分を聞こうとせずに三蔵は妖怪を一打ちした。
「雑魚には話されてないってことか?」
「知られてない、知らせていないと言うのが正しいのかも知れません。」
「……チッ」
ジープに乗り込むと不機嫌そうに腕を組んでイライラを隠しきれずに居た。その日、走れるところまで走ると野宿となる。眠れそうに無い三蔵。しかし、それは三蔵だけでは無かった。
「……ちょっとお便所…」