第23章 揺れる心
「大丈夫かなぁ…雅」
「本人が大丈夫って言ってんなら大丈夫だろうけど…」
「ひっかかりますね…」
「……」
「三蔵?」
「もしかして昨日三蔵ヤりすぎてとか?」
「冗談言ってる場合じゃないですよ?」
「……」
三蔵は無言のまま三人に着いていくだけだった。
四人を見送った後、ため息を吐きながらもどうしていいか、解らなくなりかけていた。
「信じたいものを信じたらいい」
「好きだ…」
そういわれ続けてきたにも関わらず、雅は今日李厘に言われた言葉がひっかかっているように思えてなら無かった。
コンコン…
扉をノックする音が聞こえ開けに行くも、誰もいなかった。
「…誰だったんだろう…」
そう思いながらもふと足元に一枚の紙切れがあることに気付いた。
「…?」
『話がある。三十分もすればいいだろう。街外れにある大木まで来い。』
「三蔵?」
扉から顔を出してみるもののその姿は無かった。しかし、名前は無いにしろ、この口調は三蔵しか思い当たらなかった。
「…なんだろう、話って…」
そう思いながらも支度をすると、宿主に大木までの道を聞いて雅は宿を後にした。
「こっちの方だと思うけど…」
そう呟きながらも、やっとの思いで見つけた大木だった。
「ここか…なんだろ…話って…」
そう考えながらも雅は三蔵が来ることを待っていた。