第23章 揺れる心
「あぁあ、全く……ヘタクソだねぇ…」
そう呟きながら你はウサギのぬいぐるみを掲げていた。
「もぉっと上手くやらなくちゃ…お姫様☆」
どうやってなのか…李厘達の会話の様子を見ていた你。
「ただでさえ解りやすいところに置いて、警備もせずに、わざとお姫様にあげたんだから、もっとうまく使ってくれないと困るんだよね…」
そういいながらもクククと笑っていた。
「それじゃぁ、下手くそなお姫様と皇子さまの為に少しだけ手伝ってあげようかな…」
そう呟くと你はスッと立ち上がったのだ…
昼間一旦八戒と別れてから様子がおかしかった雅。それでも気付かれないようにと気を張っているため、八戒はそれ以上何も聞くことはできなかった。その日の夕方。
「夕飯、行きましょうか?」
「おっ!!やった!!」
「今度は三蔵も行きますよね?」
「さすがに飯は行く」
「そういって今朝行かなかったの誰だよ」
「何か言ったか?」
「本当の事だろうが」
そう話しながらも皆で支度していた。
「あれ?雅?どうしたの?」
「悟空…ごめん…ちょっとしんどくて…」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫!休憩してる…なんだろうな…疲れちゃったのかも…」
「すぐに戻ってくるから…」
「心配しないで?ゆっくりと行ってきてよ!ね?」
笑顔で雅は四人を送り出した。