第21章 甘蜜月夜
たばこが半分ほど燃えた時だろうか、雅は徐に目を覚ました。ベッドに乗り、壁に凭れながらも三蔵は変わり無くたばこの残りを燻らせている。
「三蔵ぉ…」
「起きたか」
「あの…私…」
「気にしなくていい。お前が悪い訳じゃねぇだろ」
「そうだけど」
「それより、良く悟浄で手を打たなかったな」
「…ッそれは…」
「それは?なんだ。」
その時、雅は自身の格好に気付いた。バッと顔を背けるものの三蔵は何食わぬ顔をしている。
「……見た?」
「は?」
「その…見た?」
「そんな格好にされていて、男が一緒で?そりゃ見ねぇでヤる方が難しいだろうが…」
「ヤ…ッッ!?!?」
最後のたばこの火を消して雅にまっすぐ視線を向けている三蔵と裏腹に雅は俯いてしまっている。
「どうした」
「私……最悪だ…」
「何がだ?」
「……私……」
ぐいっと涙を拭く雅。泣く理由が解らない三蔵は小さくため息を吐くと、座り直して見つめていた。
「何泣いてんだ」
「私……三蔵との初めて……ヒック…覚えてない…」
「そんな事か」
「そんな事じゃないよ…!」
「気にするな」
そういうと三蔵はくいっと頭に手を回し、自身の胸に抱き寄せた。