第20章 李厘の悪戯置き土産?!
しかし、ジープの揺れで悟浄にもたれ掛かる状態になってしまった時だ。
「ンァ…ッッ!」
「悪い…」
「……あのガキ…次会ったら容赦しねぇ…」
「三蔵、どうします?」
「どうもこうもねぇ、野宿でなんかヤれるか」
「やるって何を?」
「悟空……それは……」
「八戒、少しスピード落とせるか?」
「何言ってやがる」
「場所交代すんだよ。ジープの縁にでも凭れた方が多少はいいだろうが。」
その悟浄の言葉を聞いて、八戒は少しスピードを緩める。
「これでどうです?」
「雅、こっちこい」
そう言って悟浄と場所を入れ替わる雅。
「你博士の作ったものとなると……」
「厄介にもほどがあるな…」
「どのくらいで切れるでしょうか…」
「まだまだっと言ったところか…」
「なぁ、びやくって……」
「お猿ちゃんにもわかりやすく言うと、エロ薬だ」
「そんな説明じゃわかんねぇよ!!」
「いえ、あながち間違ってないんですよ」
「……え?」
「ただ、相手さんの博士が作ったものとなると、効果がどのくらい続くか解らない、というのが難点ですね」
三蔵も八戒も紅孩児が去り際にいっていた『三蔵が少し苦労する』という言葉が引っ掛かっていた。どっぷりと夜も更け、月が上ってくる。悟空は眠り、悟浄は横の雅が気になり眠れず…本来ならば既に白竜を停め野宿している頃合いなのだが、街を目指して走り続けていた。