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凜恋心【最遊記】

第18章 予期せぬ訪問者


「変な人って言うのは…」
「うん…宿のお部屋に忘れ物取りに行ったら、いきなり風が吹いて…」
「そうではなく…」
「うん、その後にいきなり現れて…スッゴい美人さんなの。」
「…美…人?」
「うん…なのにオレっていって…観世音菩薩っていってたかな…」
「……?!」
「チッ…何の用だ…いったい…」
「やっぱりあの人のいってたこと本当なの?」
「菩薩が雅に何言ったん?」
「三蔵の遠い親戚だって…」
「ハァァァ……」

あからさまに大きなため息を吐いた三蔵。

「本当なんでしょうか…」
「菩薩に扮した誰かってことか?」
「ねぇ、雅?その菩薩さん、他に何か言ってましたか?」
「んー……三蔵に優しくされてるか?とか、私の事連れて行けっていったのは自分だとか…あ!!」
「なんでしょう?」
「三蔵の事、最初変な呼び方してた。!」
「変、とは?」
「金蟬って……」
「……間違いねぇな」
「無いですね…」
「でもさ!だとしたらなんでその人、雅に会いに来たんだ?」
「私も解んないの。ただ、私に会いに来ただけだって言って、帰っていった。自己紹介しても『知ってる』って言われちゃったし…」
「三蔵…?」
「俺だって知らねぇよ、なんだか最近良く来るがな」
「来るって…えっと……おばさん?おじさん?」
「あーー、菩薩にそれの類いは禁句だな」
「そうなの?」
「両性なんです」
「りょ……うせい?」
「男であって、女でもある。難しいですよね」
「そっか……」
「それで?」
「ん?」
「テメェの買い物は?」
「あ!!そうだ!!」

そう言って思い出したかの様にメモを広げる。

「甘いお芋と、乳、バター……!!」
「何するんだ」
「ほら!明日出るんだよね?だとしたら今日のうちに作って持っていこうと思って!」
「何を?」

三蔵以外の三人の声がきれいに揃った。

「スイートポテトって言う、甘いお菓子!」
「お……菓子……!」
「雅作れんの?」
「作り方を聞いたの!」
「いつ?」
「少し前に居た街で!でもなかなか材料が集まらないし…」
「で、この街ならってことですね?」
「ん!!」
「なぁなぁ!できたら俺も食っていいの?」
「ん!でも、そんなに個数できないかも知れないの。少しずつになっちゃうけど!」
「やっりー!!」

そういって嬉しそうに笑う悟空。材料を買い、うきうきで宿に戻る。
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