第18章 予期せぬ訪問者
悟浄との殴り合いをして、翌日。最後の買い出し、と言いながら珍しく全員で街に繰り出していった。入り口を出て時期に雅は『あっ』と言い出した。
「どうかしましたか?」
「ちょっと忘れ物…」
「いるのか?」
「要るから忘れ物って言うんだよ?」
そういう雅。そんな雅に対して八戒は『ここで待ってましょうか?』と問いかけた。
「大丈夫!少し行った所にある商店街でしょ?大丈夫!すぐ追い付くから先に行ってて?」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫!!あっもし先に八百屋さん行くならさつま芋って言うの!買っておいてくれる?」
「解りました。」
そう言って雅は一人宿に一旦戻った。
「えっと…あ、あった!」
買いたいものリストを持ったときだ。ザッ…と風が吹いた。
「えっ…窓…開いてたっけ……て……」
「よぅ、初めまして、雅」
そう言われた時に目の前に居たのはウェーブのかかった長い髪を高い位置で一纏めにし、額にはチャクラ、そして、女性からみてもきれいと思えるほどのボディラインとどことなく格好良い男性の様にも見えるその人が立っていた。
「おい、聞いてんのか?」
「あ…すみません…ここ私たちの借りているお部屋でして…」
「んな事は知ってるよ。だから言ってんだろ?初めましてって」
「えと……どちら様ですか?」
「フッククク…本と、おもしれぇな」
「あの…」
ジリッジリッと後ずさりをする雅に気付いたその人はふわっと一瞬宙に上がるとストンと雅の目の前にやってくる。