• テキストサイズ

凜恋心【最遊記】

第2章 旅立ち


「雅!これ、やるよ!!」
「え…」
「すっげぇ旨かったんだ!豚まん!だから!」
「あのぉ、雅さん?」

悟空の背中越しに声をかけたのは八戒だった。

「僕達、今から出発するんです。長い間ありがとうございました」
「いえ、私は何も…」
「そうですよ!この子なんて何にもやってない、異端児ですので…」
「ちょぉっと待ったぁ、これ以上俺の前でかわいい子をけなすのやめてくんねぇ?」
「私の子ですよ?!あなた達になんやいわれる筋合いは…」
「かわいい女性に暴言吐くのはいただけねぇっつぅの」
「悟浄…さん」
「この子はね!異端児で化け物なんだよ!どんな薬も効かない、前にきた三蔵さまも、今回のお方だって!どうにもならなかったじゃぁ無いか!」
「まぁまぁ、その辺にしてください。」
「この際だからはっきり言わせて貰います!嫁にも行けない、稼ぎにもならない!はっきり言って迷惑なんだよ!」
「もぉ止めて!」

そう言って会話を遮ったのは雅本人だった。回りに居た村人も一瞬静かになりながらも『力』の暴走を恐れたが何も怒らなかった。

「もぉ良いよ…私…この村から出ていくから…村の人も怯えなくてすむように…それで良いでしょ?」
「雅、ダメだ!村の外には妖怪が…!」
「翠藍兄ぃ、大丈夫。もし万が一でも翠藍兄ぃにも迷惑、かかならないでしょ?」

言うだけ言ってその場から歩きだそうとした時だ。ずっと黙っていた三蔵が呼び止めた。
/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp