第37章 禪院直哉の溺愛奴隷✿禪院直哉✿裏
虚ら虚らとしながらゆっくりと瞬きを繰り返し、髪を撫でられる感触に意識がはっきりとしてくる。気付けば、直哉様の膝の上で抱かれていた。下半身にはまだ違和感があった。
「目ぇ覚めた?冷めとるけど、飲みぃ?」
膳から湯呑みを取り、縁を私の唇につける。薄く開けると傾けて、温くなったお茶を私の喉に流し込む。
湯呑みが口から離れるのを見てから、ちらっと視線を膳に向ける。手はつけられていなかった。まさか…私が眠っている間、ずっとこの状態だった?裸でタオルに包まれている。
「……直哉様…申し訳ありません、お食事が……」
「ほんまやで。乱れ過ぎや。……お前見とったら、腹空かん」
額に口付けてまた髪を撫でて、箸を持つ。鯖の塩焼きの身を箸で摘み、私の口へ運んだ。戸惑っていると唇に押し付けられ、控えめに口を開けると、鯖の身が舌の上に乗せられる。
噛んでから飲み込んで、直哉様を見上げた。何故私に?
「なんや。……見惚れとらんと、はよ食い」
見惚れているわけでは……いや、この人は綺麗だ。息を呑むほど、直哉様の顔は整っている。そんなことは、小さい頃から知っていた。だから今さら見惚れるなど……あぁ、私のご主人様はなんとお美しいのだろう。
「……直哉様が、見惚れるような顔をしているのがいけないんです…」
「はっ、ほんまやったんかい。……俺にそんな口聞いてなんもお咎めないんは、お前だけやで」
ケラケラと笑った直哉様は、そのまま私に食べさせながら、自分の口にも運んでいた。私はいつからかこの人に絆されて――奴隷でいることに喜びを覚えていた。