第37章 禪院直哉の溺愛奴隷✿禪院直哉✿裏
見つめ合ったまま離れることも、近付くこともしない、もどかしい距離。熱を浮かべたようなその瞳は、欲の熱とは別の"何か"なのは、なんとなく気付いていた。
「……美影ちゃんからしろや。いっつも俺からやし。………少しくらい、くれやっ…」
"くれ"?何が欲しいのかわからず、首を傾げた。すると、目の前で無防備に目を閉じた直哉様に息を呑む。この人がこんなにも、懇願するように何かを欲しがるなんて……いつも貪欲に欲しい物を手に入れていた直哉様は、欠片も見られなかった。
肩を抱き締める指も、顎を掴む指も、僅かに震えている気がする。それは、下半身で燻る熱のせいだろうか…。震えながら薄く開いた唇も、そのせい…?
あぁでも、私のご主人様が待っている。震えて私を待っている。ゆっくりと柔らかく唇を重ね、離れようとしても、吸い付くようにそれを嫌がっている。お互いの熱い息が混じる距離、堪えられず私たちは何度もその焼けるような唇を重ねた。
「……美影ちゃん…っ……なぁ、もっと…もっとや……足りん。……俺…ん……美影ちゃん……」
キスの合間に何かを紡ごうとしては、やめる。ただ縋るように私の名前を呼んでは、熱の沼に沈んでいく。直哉様が、直哉様じゃない……言いようもない違和感を含んで、ご主人様のご所望に応え続けた。